3月6日、千葉市のホテル・メイプルイン幕張において、「講演会 電力自由化と自然エネルギー」が開催されました。(主催:特定非営利活動法人自然エネルギー千葉の会、後援:千葉市)
メイン講師は都留文科大教授の高橋洋さんです。高橋さんは「電気事業法の改正によって、これまで発電・送配電・小売りまで電力会社の法定独占だったものが、発電部門、小売り部門が自由化されることになる」とし、「送配電部門だけは自由化できないので、電力広域的運営推進機関を通じ開放的なネットワークの実現を目指すことになる」と指摘。
講師の高橋洋さん
「電力システム改革の方向は、集中型から分散型へ、独占から競争へ、垂直一貫から水平分業へというもの。今後、電力自由化が自然エネルギーに結びつくかは、消費者が電気を他人事ではなく『自分事』として選択権を行使することが重要になる」と主張しました。
国会会期中という激務の中、駆けつけてくれました衆議院議員の田嶋要さんは、「今国会でも電力自由化に関連して質問をする予定だ。ヨーロッパに比べて20年遅れているといわれる日本の再生可能エネルギー拡大にむけて、汗をかいていきたい」と挨拶しました。
田嶋要衆議院議員
続いて新電力各社からのプレゼンです。みんな電力株式会社の飯野隆志さんは、市民発電所から電気を調達する「顔の見える発電所」のコンセプトを(1)選べる楽しさ、(2)おまけがついて購入する楽しさ、(3)発電者と繋がる楽しさ、(4)地域社会と環境に貢献する楽しさ、として説明しました。
みんな電力株式会社・飯野隆志さん
株式会社パルシステム電力の鈴木松夫さんは、同社が今後手がける「産直でんき」について、(1)生産者、産地が明らかであること、(2)生産方法や出荷基準が明らかで、生産の履歴がわかること、(3)環境保全型・資源循環型をめざしていること、(4)生産者や組合員の相互交流があることの4原則を述べました。
株式会社パルシステム電力・鈴木松夫さん
生活クラブ虹の街の山本裕一郎さんは、風車の建設からエネルギーの共同購入にいたる同生協の取り組みを概説、電気の共同購入を今年6月から1500世帯で先行実施し、10月から全体実施の予定であることを明らかにしました。
生活クラブ虹の街・山本裕一郎さん
会の最後に千葉みらい電力合同会社の森田一成代表社員は、「自然エネルギーを選択することが『やせ我慢』になってはいけない。電力自由化で再エネを大事にする新電力に切り替えるとともに、再エネ発電事業に投資することで家計を潤すこともできる」とし、千葉みらい電力が手掛ける大網白里市での市民発電所建設への協力を呼びかけました。
千葉みらい電力合同会社・森田一成代表社員
参加者からは「内容が濃いにもかかわらず大変わかりやすかった」とのお声を頂戴しています。関係各位のご協力に、あらためて感謝いたします。(森田)
※この事業はパルシステム千葉NPO助成基金の助成を受けて実施されました。