8月11日、NPOえねちばはエネルギーカフェ第2弾「自然エネルギー白書をひもとく会」を開催しました。会場はトレジャーリバーブックカフェ。
これは、認定NPO法人環境エネルギー政策研究所が毎年発行している『自然エネルギー白書』を題材に、自然エネルギーについて包括的に学ぶスタディ・イベントです。講師は同主席研究員で、NPOえねちば顧問の松原弘直さんです。
題材は硬い内容ですが、「エネルギーカフェ」というコンセプト通り、参加者がお茶を飲みつつ気軽に話ができるスタイルで行いました。
講師は松原弘直さん
松原さんは世界的な趨勢として、「自然エネルギーのマーケットは、急成長をとげている。昨年は投資額は減っているが、それは太陽光パネルの単価が下がったため。投資は今までヨーロッパが主だったのが、中国など新興国に移ってきている。日本も自然エネルギーに関しては新興国だ」と指摘しました。
欧州各国との比較で、「ドイツの自然エネルギー導入目標は、2020年に39%。2011年には20%の実績を上げている。数年前は6%くらいだった。着実に目標に向けて増やしている。一方、日本の目標値は2020年に14%と低い」としました。
再生可能エネルギーは地域主導でこそ意味があるわけですが、地域エネルギー事業に取り組む人びとや組織を支援するために「コミュニティパワー・イニシアチブ」を設立したことが報告されました。
コミュニティパワーには「3原則」があると言います。それは以下の3つです。
1.地域の利害関係者がプロジェクトの大半もしくはすべてを所有している
2.プロジェクトの意思決定はコミュニティに基礎をおく組織によっておこなわれる
3.社会的・経済的便益の多数もしくはすべては地域に分配される
また松原さんは、つい最近ドイツを訪れたときの報告を行いました。ミュンヘン市エネルギー公社の地熱発電所、自然エネルギー100%自給の村=フェルトハイムの風力発電所やバイオマス発電所(コージェネ)などを説明しました。
ドイツの自然エネルギー事業の事例を報告
千葉県における再エネ事業の展望についてや、その担い手の育成問題など「リアル」な諸問題について、参加者から活発な意見が出て、エネルギーカフェは大いに盛り上がりました。
あっという間に4時間が経ち、必ずエネルギーカフェ第3弾を開く約束が交わされて閉会となりました。松原先生、参加者の皆さん、ありがとうございました。(森田)
(この事業はパルシステム千葉NPO助成基金の助成により運営されました。)