ドイツでの再生可能エネルギー地域事業視察報告(その5)

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     10月28日は、ZAEバイエルン社とシュタッドヴェルケ(都市公社)への支援を行っている株式会社テューガ社に訪問します。

     ZAE社は一言で言うと「研究と事業の橋渡しをする企業」です。研究・実証を行いつつ、現実の事業にも乗り出しています。

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    ジェンス・ハウチ博士


     オフィスは工業団地(?)の中にあります。佇まいは大学の研究機関のようです。報告者はジェンス・ハウチ博士です。

     近年研究・実証しているプロジェクトは、電気の貯蔵、パワートゥーガス(再エネの電気で水素を作ること)、熱の貯蔵、パッシブハウス(極力エネルギーを使わない住宅)の冷暖房などです。

     とくに気になったプロジェクトを2つご紹介します。

     1つは地中熱を利用した線路の凍結防止策です。日本でもそうですが、ドイツでは冬に線路の連結部等が凍結してしまうトラブルが発生します。それを回避するものなのですが、構造は非常にシンプルです。

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     当該部分の下の地面を暖かくなるところまで掘り進み、金属で繋ぐだけです。地中熱が金属を伝わり、凍結が防止されるわけです。ジェンス博士によれば5℃あれば良いとのことです。

     もう1つがゼオライトを使用した熱貯蔵システムです。ゼオライトという物質には、熱を貯める特性があります。まずゼオライトに熱を加えると同時に脱水します。その状態のゼオライトに水を加えると発熱します。

     この反応を化学蓄熱と呼びますが、熱エネルギーを化学エネルギーに変換し、また熱エネルギーに戻すということです。このことによって、熱の貯蔵と運搬・移動が可能になります。

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    熱の貯蔵・運搬を説明するジオラマ


     「ドイツでの再生可能エネルギー地域事業視察報告(その2)」では、「熱エネルギーは地産地消にならざるを得ない」と説明しましたが、熱の貯蔵・運搬が可能になれば、熱利用はさらに広がります。

     実際にZAE社では、巨大ボイラーで大量の落ち葉を燃やし、その熱を貯蔵槽に閉じ込め、タンクローリーで運ぶという実証実験を行なっています。

     また、ゼオライトを組み入れて温水を作る食洗機も開発しています。従来のものより大幅な省エネルギーが実現できるということです。

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    ゼオライト入り食洗機の概念図


     午後は株式会社テューガを訪問します。テューガについては(その2)でも触れました。

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     プレゼンは、クリストフ・カーレン氏が行います。テューガ社は100にのぼるシュタッドヴェルケに資本参加していますが、主に次の4つを各シュタッドヴェルケに指導しているそうです。ゞチ萠呂慮上、電気の託送料金引き下げ、デジタル化、ね∩も含む脱CO2。

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     エナギーヴェンデという再生可能エネルギー100%への道を進むドイツでは、再エネだけではどうしても足りなくなる電力をどうするか議論を進めています。とるべき道は3つあります。_柔佛確舛糧電所を残す、電気を貯蔵する、需要を変化させる。

     ,話噂磴箆辰任垢、これだと再エネ100%ではなくなります。メルケル政権は原発がなくなる分、化石燃料の発電所を新設しようとしているらしく、論争になっているそうです。

     △發垢飴廚い弔ことですが、蓄電池での電気の貯蔵というシステムは、現段階ではコストが高いのが実状です。国家的プロジェクトIRENEの結論もそうなりました。

     そうすると、の需要を変化させることが一番合理的ということになります。これはスマートグリッド+電気製品のIT化によって、たとえば電力需給が逼迫したときに、電力会社(供給側)が需要家の電気製品をコントロールして(エアコンの温度を変えるなどして)需要と供給を一致させるなどです。

     クリストフさんは「日本が今後再エネ100%の道を進むのならば、再エネの効率化、蓄電池、送電網などトータルのデザイン=エネルギー・マーケット・デザインを考えてほしい」と強調しました。(続く)

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