ドイツでの再生可能エネルギー地域事業視察報告(その3)

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     10月26日は、バイエルン州のヴィルトポルトリート村の取り組みについて視察します。プレゼンは、アルノ・ゼンゲルレ村長自らが行ってくださいました。

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    ヴィルトポルトリート村のアルノ・ゼンゲルレ村長


     ヴィルトポルトリート村は人口2500人の農村で、もともとは酪農が主産業でした。ドイツも日本と変わらず農業・酪農は厳しいそうです。とくにウクライナ問題でロシアへの経済制裁が発動されてからは、ロシアにミルクを売ることができなくなり、大打撃を受けたようです。

     今は再生可能エネルギーがメインとなり、屋根上太陽光発電、バイオガス、市民風力発電等を行っています。

     村長は「古いものと新しいものの共存が必要」と言います。ドイツの古き良き伝統と最新の再生可能エネルギー技術の共存が村を救う、と。

     ヴィルトポルトリート村では、1998年に「2020年に自分たちはどうあるべきか」という全村民を巻き込んだ議論を行なったそうです。村民へアンケートを実施し、目標の形をつくり上げていきました。

     市民自らが投資(当時60億円集めたそうです)をし、金融機関からの融資も含めて再エネ事業を開始し、2012年に実質100%再エネを実現させました。

     村長が強調していたのが、「エコロジーだけでなく、エコノミーも」ということ。事業として利益を出すことが大切だということです。

     もう一つは「市民参加とオーナーシップ」です。市民が傍観者になるのではなく、自ら出資者となって事業に参加することの重要性です。ただし、村長は「専門家でない人間が意見をすると失敗する。技術について多数決で決めてはいけない」と釘をさしていました。

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    バイオガス・プラントの貯蔵槽。手前に見えるのがエネルギー作物


     まずは、バイオガス発電(コジェネ)熱供給システムを見学します。見学会には、日本からだけでなく、トルコからの視察者も同行します。7ヶ所の発電所(コジェネ)があり、発電だけで1.7メガワットの容量になります。理論上は村全体の電気と熱を作っている計算です。冬場などの熱が足りない場合、木質ペレット・ボイラーを炊きます。

     このあたりは昨日見学したマウエンハイム、メギンゲンと同じシステムです。

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    市民が出資して建てた風車


     次は市民風力発電所に行きます。風力発電の売上は、年間6億円にのぼります。市民が出資し、金融機関から融資も受けています。投資家へのリターンは年平均で8%にものぼります。金融機関からの融資を12年で返済し終わると、リターンは15%になるそうです。

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    村長の説明に聞き入るトルコからの視察者


     その他、公共機関の建物の屋根には基本的にすべて太陽光発電所があり、売電収入を建物の維持管理などに使用しているそうです。

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    村営の体育館


     また、最近ドイツで問題となっているシリア難民問題ですが、バイエルン州から3億円の助成金を得て、難民のための「社会的住居」を建設する予定で、そこにも熱供給を行うそうです。(続く)

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