ドイツでの再生可能エネルギー地域事業視察報告(その2)

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     10月25日午後は、ラドルフツェル市の「シュタッドヴェルケ・ラドルフツェル」を視察します。

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     シュタッドヴェルケ(stadtwerke)というのは、日本語に訳すと「都市公社」となりますが、ドイツでポピュラーな住民サービス事業体です。電気やガス、熱などのエネルギーだけでなく、水道、ゴミ収集、インターネットプロバイダー事業なども合わせて行っていることもあるようです。

     シュタッドヴェルケは行政の単位の市が100%出資するケースが多いようですが、シュタッドヴェルケ・ラドルフツェルはラドルフツェル市が51%、株式会社テューガという民間会社が49%出資しています。

     このテューガという会社は、ドイツ全国のシュタッドベルケをサポートする企業で、100以上のシュタッドヴェルケに資本参加しているそうです。

     ドイツでは1998年に電力の全面自由化を行なったのですが、これまで地域独占的な仕事をしてきたシュタッドヴェルケにとっては、市場の荒波にさらされることになりました。そこで、シュタッドヴェルケを支援するためにテューガのような支援企業ができたというわけです。

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    説明してくれるのはダニエル・メイヤーさん


     たとえば、物資の一括大量購入によって仕入れ費用を抑えたり、経営ノウハウの共有化・標準化を行ったりなどです。とくに、電力取引所から電気の調達(インバランスの調達)を行うときに、個別のシュタッドヴェルケがそれぞれ行うよりもテューガがまとめて発注したほうが良いのだそうです。

     ちなみに、シュタッドヴェルケ職員は「準公務員」でも「みなし公務員」でもない、純然たる民間企業従業員です。

     座学の後は、メギンゲンでのバイオガス・プロジェクトを見学します。ここも午前中見学したマウエンハイム村の仕組みと同じく「バイオガス・コジェネ+木質バイオマス・ボイラー」です。マウエンハイム村のものより、少し規模が大きいです。

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    メギンゲンのバイオガス・プラント


     痛感するのは、熱の重要性です。よく「エネルギーの地産地消」という言い方があります。しかし、電気は遠くまで運ぶことができる上に、電気の生産地と消費地は必ずしも特性が一致しません。

     その点、熱は基本的に遠くまで運べないので、必然的に地産地消となるのです。(熱の貯蔵及び運搬技術については、また後日報告します。)

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    貯湯槽のモニター。温かいお湯が配られ、冷めたお湯が戻ってくる


     ラドルフツェル市はボーデン湖のほとりにあり、環境基準がとても厳しいです。たとえば、木質バイオマス・ボイラーの燃料のチップを乾燥させるのにも、匂いの発生などにも基準があります。木質チップの含水率を下げるのは大変重要なポイントなのですが、そんなにお気軽にはできないようです。

     また、ボイラーで燃やした後にできる灰には重金属が含まれているので、鉱山跡に埋める処理をするそうです。このあたりは非常に徹底しています。(続く)

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